結婚式の出張お支度

和装婚礼

昨年の秋に結婚式の出張お支度に伺ったお客様から、素敵なお写真が届きました。和装結婚式にとてもこだわっていらして、修善寺の「あさば旅館」さんで結婚式を挙げられました。「あさば旅館」さんは、船で花嫁の入場がありとても風情のある結婚式。まわりのロケーションフォトスポットもたくさんあり素敵な一日でした。

アントワープブライダルのアンティークの衣装を気にいっていただき、白無垢と黒引き振袖をお召しになりました。アンティークの衣装の柄などには意味があります。今回のお召しになられた衣装の詳細について少しお伝えします。

 

【白無垢】

たて糸・よこ糸共に撚りをかけない生糸を使い羽二重の生地を作り、光沢感を出すためにたて糸は2本使用されています。飛翔鶴のデザインが躍動感があり、仕立ては平安貴族の十二単をイメージして簡素化した、幸せを重ねるという縁起のいい意味の「八重」に仕立てられています。時代は約30年前ぐらいの平成時代の物です。

【黒引き振袖】

贅の全てを尽くした1点。雲撮りされた染め抜きの柄や、手絞りの技法の上に金糸を使用した平縫刺繍や金駒刺繍の技法を用いられた刺繍が施されており、鶴の刺繍については一針毎の手仕事で仕上がりまでの月日は相当要したと思われます。大胆に刺繍された鶴と菊のデザインは 「不老長寿」「無病息災」の意味のある吉祥模様ですが、菊の花を少し簡略化して描いた「万寿菊」が刺繍されています。菊は形も綺麗で香りも良く「気高さ」を表しています。時代は昭和20年代後半から30年代と言われています。

こちらの筥迫は、戦前のアンティーク物です。引き振袖に合わせてコーディネートしました。こだわりのあるおしゃれなお二人は筥迫の鶴柄に合わせてリングピローを作られたようです。本当に素敵です!

出張お支度はとても緊張もしますがいつもと違う空気感で現場を楽しんでいます。帰り路には、スタッフと結婚式を振り返りながら楽しくおしゃべりするのもまた楽しみに一つです。

着付け師.jp <kitsukeshi.jp>

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