10月に入り、結婚式もシーズンです。アントワープブライダルでは、和装の結婚式をご希望のお客様の中でも国際結婚のカップルの方が多く、日本人の新婦様と外国人の新郎様、そして、とても日本が好きな新郎様が多く、私たちよりも日本の歴史や習慣に詳しいところもあったり、毎回勉強させられることが多いです。
今回は衣装の中でも挙式では白無垢のご希望の方が多いのですが、人気の衣装はこちらです。
赤が少し入っていると華やかに見えるからといった理由です。外国人の新郎様からは、「なぜ、赤いラインが入っているのですか?」と聞かれることもあり、日本人の新郎新婦様からはあまり質問されないことを聞かれたりします。その際に私は、昔の赤無垢の赤の名残りでは?と思ったりしていますが、これは私の勝手な臆測です。白無垢の裏地が赤いのは、江戸時代からあったようです。赤線の白無垢は、昭和に芸能人が結婚式で着られてから流行ってきたようです。
婚礼衣装について、時代ははっきりしませんが、「白無垢・赤無垢・黒無垢」が着られていました。婚礼衣装に良く使用される色の3色です。私が昨年携わらせていただいた「ジャパニーズウェディング展」でも説明されていました。下記は一部抜粋しています。
<参考文献> 武家の婚礼衣装(江戸時代)
婚礼に白色が貴ばれるようになったのは平安時代で、室町時代には正式に白無垢が婚礼の衣装として確立されていたようです。「赤無垢」がいつ頃から出てきたのかはわかりませんが、この赤無垢によって「色直し」という言葉が生まれたそうです。そしてこの赤無垢に続くのが「模様もの(刺繍)」なのですが、当時の武家の価値観においては、紋織物(白無垢、赤無垢)に比べ、刺繍などで模様を表す衣裳は格が低く見られていたため、格式の序列に従って「白無垢」→「赤無垢」→「模様もの」と着替えていったようです。
婚礼衣装の歴史は、知れば知るほど奥が深いですね。着付けるだけではなく、結婚式の意味を知ることでお客様との会話も弾みますし、結婚式の仕事をすることへの想いも変わってくると思います。
着付け師.jp <kitsukeshi.jp>
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