和装の結婚式の衣装のイメージといえば「白無垢」が思い浮かぶと思います。チャペルでは純白のウェデイングドレス。神社では清楚な白無垢。花嫁様のあこがれのアイテムですね。最近では和装人前式でも白無垢を着ます。では花嫁の着付け師を目指される方に「白無垢」のルーツや意味、どの様な場面で着用するのかなどを聞いてみても知らない方は多いです。結婚式の仕事に携わっていないと知る機会も少ないのかもしれません。アントワーブライダルで花嫁の着付け師の勉強をする際は、着付け技術の勉強の前に花嫁知識の勉強をします。私は、雑誌などでもスタイルについては監修ページを担当したことがありますが、意外に知らない方も多いので簡単にまとめてみました。
白無垢は、婚礼衣装として定められ用いられるようになったのは室町時代、現在の婚礼衣装として定着してきたのは江戸時代から明治時代です。綿帽子ははちりよけ・防寒用として用いられていましたが「綿帽子」として結婚式に用いられるようになったのもこの頃になります。素材も真綿から絹に代わり、幕末から明治にかけて綿帽子から角隠しへ変化しました。昭和30年代以降、貸衣装店が多くなり婚礼衣装として一般にも流通するようになり、現在は、綿帽子・角隠しどちらともお好みで使用することができます。白無垢の白色は、もともとは神様へ仕える者の衣装が白だったことから挙式用に用いられ、婚家の色に染まるという花嫁の思いを表したものになりました。
挙式では綿帽子・角隠しのどちらかをつけて披露宴ではかつらだけの姿で入場というのが一般的です。
●綿帽子・角隠しをつけないかつらのみ「文金高島田」スタイル
入場の際はかんざしを「色かんざし」に差し替えて華やかにします。
●白無垢に綿帽子
実際に昨年結婚式を挙げられた花嫁様(日枝赤坂神社)
●白無垢に角隠し
かつら姿が前後から見えるので愛らしい花嫁様の姿を感じることができます。実際の新郎新婦様(金王八幡宮)
●白無垢に洋髪
洋髪というスタイルが流行り始めたのが、平成に入り有名女優さんが神社の結婚式でヘアーに大きな生花をたくさんつけてテレビで放映されたのがきかっけで、一気に広がたっと記憶しています。和装スタイルでもモダンで好きにヘアーを作っていいのね!といった気持ちでした。この写真の花嫁様もアントワープブライダルの看板をご覧になってのご希望でした。洋風の素材のレースとチュールを使用したヘアースタイルでした。(代々木八幡宮)
時代と共に白無垢スタイルも自由に表現できるように変わってきましたが、変わらない花嫁小物にこめられた意味や着物に使用されているおめでたい柄付けなどは大切にしていきたいと思っています。
次回は色打掛についてまとめます。