結婚式の参進(入場)の際に流れる音楽が「雅楽」です。日本の伝統音楽には様々な種類がありますが、その中でも特に格式が高く、歴史ある音楽が「雅楽(ががく)」。雅楽は、主に宮中行事や神社の祭礼で演奏され、その美しさと厳かさで多くの人々を魅了してきました。今回は、この雅楽について詳しくご紹介します。
[雅楽の起源と歴史]
雅楽の起源は、6世紀から7世紀にかけて中国や朝鮮半島から伝わった音楽や舞踊にあります。これらの音楽は、日本の宮廷で取り入れられ、日本独自の発展を遂げました。奈良時代には、国家的な儀式や祭典で演奏されるようになり、平安時代には、宮廷文化の中心的な存在となりました。
雅楽は、その後も日本の歴史と共に発展し続け、現在でも宮中行事や神社の祭礼、重要な文化財として継承されています。
[雅楽の種類]
雅楽は、大きく分けて以下の3つの種類に分類されます。
1.唐楽(とうがく):中国から伝わった音楽を基にしたもの。華やかで壮大な音楽が特徴です。
2.高麗楽(こまがく):朝鮮半島から伝わった音楽を基にしたもの。唐楽に比べて簡素で厳かな音楽です。
3.国風歌舞(こくふううたまい):日本で独自に発展した音楽と舞踊。日本古来の民間伝承や神話に基づくものが多いです。
[雅楽の楽器]
雅楽には、特有の楽器が使用されます。その中でも代表的なものをいくつかご紹介します。
・笙(しょう):17本の竹管を持つ吹奏楽器。独特の和音を奏でます。
・篳篥(ひちりき):ダブルリードの木管楽器。高く響く音色が特徴です。
・龍笛(りゅうてき):横笛の一種で、雅楽の中では最も高音域を担当します。
・琵琶(びわ):弦楽器で、撥(ばち)で弾いて演奏します。
・箏(そう):13本の弦を持つ楽器で、指や撥で弦を弾いて演奏します。
・太鼓(たいこ):様々な種類の太鼓があり、リズムを担当します。
結婚式の参進で演奏される雅楽は、下記の三管が使われます。
・笙(しょう)
・篳篥(ひちりき)
・龍笛(りゅうてき)
[雅楽の魅力]
雅楽は、その音楽そのものの美しさだけでなく、歴史的背景や儀式との深い関わりが大きな魅力です。演奏される音楽は、現代の音楽とは異なる独特の響きを持ち、その響きには深い精神性や自然への畏敬が込められています。
また、雅楽の演奏には、豪華な衣装や舞踊(巫女舞)が伴うこともあり、その視覚的な美しさも楽しむことができます。雅楽は、音楽としてだけでなく、日本の伝統文化を体感するための重要な要素となっています。
神社の結婚式の厳かな風情が盛り上がる大切なアイテムですね。
次回は「修祓(しゅばつ)」についてお話します。
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